雄弁

お店や施設、電車やバスの中で、泣いたり騒いだりしている子供を見ると、うるさく煩わしいものだと思う人もいるかもしれない。だが、私はそれをとても喜ばしいことだと思う。
 それが泣いている赤ん坊ならば、社会のルールや他人の気持ちなどもちろん考えもしないだろう。彼らが泣くのは親に何かを伝えるためである。周りは泣くだけ元気なのだと喜びはしても、煩わしく思ってはならない。
 それが大声で何かを親に話している子供ならば、確かに静かにするという躾くらいは必要だろう。ただ、よく喋る子どもというのは、それだけ常に物事をよく考え、それを親、つまり他者に伝えようとしているのだ。その姿勢や力は将来必ず役に立つだろう。「喋るな」といってしまうと、人に何かを伝える力を失うことに繋がる。
静かにすべき時や場所など後で覚えればいいのだ。子供はやかましく、雄弁であれ。大人は黙ってその健康と将来を喜ぼうではないか。

担当:ナスカ